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今年は地方馬の台頭も? 南関を知り尽くした専門紙記者がさきたま杯出走馬をジャッジ!

2018年05月29日(火) 18:05

前走の東京スプリントを制したグレイスフルリープ。軽快な先行力が持ち味で、南関で最も小回りの浦和で交流重賞連勝を狙う。(写真=高橋正和)

 1997年に創設され、今年で22回目を迎える浦和伝統の交流重賞さきたま杯。創設当初はGIIIだったが、2011年にGIIへ昇格した。第1回の勝ち馬はフジノマッケンオー、第2回テセウスフリーゼと、小回り千四らしい結果(先行型有利)だったものの、2007年にメイショウバトラーが勝ったあたりから素軽さ、器用さよりも、むしろパワーを含めた総合的な能力が求められるようになった。

 その象徴が2009〜10年に連覇したスマートファルコンで、当時のダート最強馬がここを目標に定め、現実に圧勝したことは、浦和千四がイメージ以上にタフな舞台であることを示している。

 他の交流重賞同様、JRA勢が優勢で、過去10年を遡るとJRA勢が8勝、2着7回と圧倒。ただナイキマドリードソルテなど一矢報いたケースも散見され、その年々のレベルと質を見極める必要がありそうだ。他の交流重賞と比べ、地方勢にも脈はある。

 脚質的に先行有利で、好走(連対)はほぼ逃げ、先行、好位差しに限定される。3〜4コーナー、6番手以降からの逆転は、2013年テスタマッタフェブラリーS覇者)だけで、勝ち馬、連対馬は5〜7歳が中心。高齢馬の好走歴は2008年リミットレスビッド(1着)を境に途絶えている。昨年はホワイトフーガが優勝するなど、牝馬も好走歴はあるが、今年は有力馬が出走しない。

 今回参戦する騎手では武豊騎手の4勝、戸崎騎手の2勝が目立つ。枠順の出目は(8枠連複)、1枠=1、2枠=2、3枠=1、4枠=1、5枠=8、6枠=1、7枠=3、8枠=3。過去10年で「5-8」が3度出ていることは特筆しておく。

 以上を踏まえて、ここからは有力馬を紹介していこう。

 まずはグレイスフルリープ。前走の東京スプリント(大井)で交流重賞3勝目。無理のない逃げで、終いにはまだ余力があった。以前に同じ舞台で凡走(オーバルスプリント7着)しているが、コース適性以前に展開不利が大きかった。再びピークを迎えており、相性のいい武豊騎手が手綱を執るのは心強い。

 サクセスエナジーは前走、かきつばた記念を2番手から横綱相撲。良馬場の1400mで1分25秒9も胸が張れる時計だ。デビューから一貫ダート、マークした5勝中3つが1400m戦。自在型の新星で、このメンバーでは最も勢いを感じる。

 前走の東京スプリントで3着だったネロは、先手がとれなかった展開を鑑みれば評価できる内容。芝、ダート、多様にこなしてきた地力とセンスがあり、1400mの距離も2歳時にオープン特別2着がある。浦和向きであることは容易にイメージでき、今回、森泰斗騎手の落馬負傷により代打で騎乗することになった矢野貴之騎手の手腕に期待したいところ。

 ベストウォーリアは本レースで過去2年2、3着。いずれも前々をスムーズにさばき1分26秒台だから悪くない。遡れば南部杯連覇、フェブラリーS2着した実力馬。前走のかしわ記念5着からも大きな衰えもなさそうで、もうひと花咲かせることも十分可能。

 円熟期の8歳を迎えたキタサンミカヅキは前走の東京スプリントで、最後のひと伸びで2着を確保。競り合いにきわめて強い切れと闘志は変わらず、昨年暮れゴールドカップで小差の3着を見る限り、浦和千四への対応力にもメドがついている。

 JRAでダート6勝(千二〜千四)、南部杯5着の実績を持つナガラオリオンは今春、移籍した金沢でも2勝をマーク。9歳ながらスピード能力は健在で、いずれも持ったままで後続をチギった。今回も好勝負可能な条件で、名手・吉原騎手の手綱でどこまで。
(取材・文=「日刊競馬」記者・吉川彰彦)

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